スタイルの履歴書。若槻善雄 #11

Text: Kenichi Aono

Edit: Yusuke Suzuki

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ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第14回目は演出家として世界のフィールドで活躍し続ける、若槻善雄さんの裏方としての美学を教えてもらいます。

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11. フリーランスになって新世代のデザイナーと出会う。

 会社を辞めたはいいが仕事がない。そんなときに、芝浦GOLD(1989年オープンの伝説的クラブ)の佐藤俊博さんから「ヒマしてるんだったらうちの企画やらない?」と声をかけてもらいました。ぼくは毎月の収入を保証してくれるなら、と返事をして手伝うことにしたんです。GOLDはまかないがあったから特に用事がなくても行って(笑)。でもそこでもいろいろな出会いがありました。

 GOLDでフミヤ(藤井フミヤ)からジョニオ(高橋盾。〈UNDERCOVER〉デザイナー)を紹介されて、3回目のコレクションから携わります。またあるときは家の近くで丸山敬太(〈KEITA MARUYAMA〉デザイナー)から話しかけられて「今度ショーをやるのでお願いできますか」と。もちろん二つ返事で引き受けました。バブルが崩壊して彼らのような新しいデザイナーが出てきて、そういうひとたちと仕事ができるようになったのがこの時期の大きなトピックスです。

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