スタイルの履歴書。大貫憲章 #3

Text: Kenichi Aono

Edit: Yusuke Suzuki

REGULAR

ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第13回目は音楽評論家・ラジオDJ、そして2025年に45周年を迎えたDJイベント『LONDON NITE』を主宰する、大貫憲章さんが登場です。

3 13

03. ベンチャーズ、ビートルズに惹かれた理由。

 ベンチャーズはアメリカのインストゥルメンタル・バンドですが、エレキ・ギターのあの「テケテケテケ」に文字どおりしびれました。一方のビートルズはエレキでやっているうえに歌ということでボーカル、コーラスが入っていたのが大きかった。その意味ではベンチャーズは特殊だったのかもしれません。ベンチャーズ以外のインスト・バンドはあとになって知ったものばかりでしたから。日本ではそういうひとが多かったんじゃないかな、エド山口さんをはじめとして。

 ビートルズはいわゆる「リヴァプール・サウンド」––––これは日本だけの言い回しだとあとになって知るんですが––––、海外でいう「マージー・ビート」、もっと広い表現だと「ブリティッシュ・ビート」のバンドのなかでも突出していましたね。ワールドワイドに人気があったのはビートルズだけといってもいいぐらいだと思います。

 アイドル的な人気もあったビートルズですが、誰が好きというのはなくて、バンドとして好きだったんですよね。思い返してみると、ほかのバンドでもメンバーの誰かを気に入ってということはなくて、バンド総体として好きなんです。音楽が好きなのであって、ルックスとかファッションがどうこうというのは二の次。そのころは非常にピュアな音楽ファンで、ファッションなんかに興味を持つのは高校に入って『平凡パンチ』とかを読むようになってからじゃなかったかな。

  • 大貫憲章さんと言えば『LODON NITE』を思い浮かべるひとが少なくないはず。1980年にスタートし、“ロックで踊る”という価値を生んだ日本で初めてのロックDJイベントは、2025年に45周年を迎えて7月26日には江ノ島の「オッパーラ」でアニバーサリーパーティが開催されました。

    大貫憲章さんと言えば『LODON NITE』を思い浮かべるひとが少なくないはず。1980年にスタートし、“ロックで踊る”という価値を生んだ日本で初めてのロックDJイベントは、2025年に45周年を迎えて7月26日には江ノ島の「オッパーラ」でアニバーサリーパーティが開催されました。

Profile

大貫憲章(音楽評論家・ラジオDJ)

1951年2月生まれ。大学在籍中より音楽評論家としてキャリアをスタートし、その活動歴はすでに半世紀以上。特にパンク・ロックへの造詣が深く、1980年6月に新宿の「ツバキハウス」でスタートした『LONDON NITE』は現在も続くDJイベントで、その影響力は計り知れません。2025年1月には『HISTORY OF KENSHO ONUKI 大貫憲章 回顧録』を出版。毎週金曜日の24時からinter FMで『Kenrocks Nite – Ver. 2』が放送中。

インスタグラム @kensho_onuki

RECOMMEND