Text: Kenichi Aono
Edit: Yusuke Suzuki
ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載で、毎週月・水・金曜更新。第15回目に登場いただくのは、〈. . . . .RESEARCH〉代表であり、アウトドアからカスタムバイクまで、まさに我が道をいくスタイルを貫く小林節正さんです。
09 慣習にたてつきながらできあがっていったスタイル。
俺がショー用の靴の製作をしていたジョニオくん(高橋盾)の〈UNDERCOVER〉の最初期は、ありものを切ってそこに手を加えて、ということもしていて。当時、〈GENERAL RESEARCH〉の準備をしていた自分に「このやり方でいいんだよな」と思わせてくれました。これは心強かったなぁ。
最初の7アイテムは細いモトクロス・パンツに首もとがスッとしているオーバーサイズニット、その上から羽織るジャケットかコートというイメージを落とし込みました。
ジェネラルのトレードマークだった赤いリボンは、ネームタグがいやだったので代わりという以外に、つくる側が個人の仕事として最後に自分であのリボンを結んで世に送り出す、というのをやりたかった。買ったひとがそれをほどくわけで、物理的なタッチが生じることになる。こちらとあちらの行為がつながる感じがして、それがよかったんです。
〈GENERAL RESEARCH〉で俺は気に入ったモチーフを希釈したり濃縮したりしてしばらくやり続けるんだけど、それはたとえばニック・アシュレイみたいなイギリスのデザイナーが3年くらいラインナップを変えないことへのシンパシーと、シーズンごとに新作を出さなきゃいけないというよくわからない慣習へのアンチテーゼ的な気持ちもありましたね。同じモチーフをえんえん使い回しているのが楽しいんだし、ゆっくり馴染んでゆくにはそのくらいの期間が必要。
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〈GENERAL RESEARCH〉が1998年に“無数のポケットが洋服に寄生する”をテーマに発表した『パラサイトコレクション』。2022年にはリデザインした〈イズネス(is-ness)〉とのコラボライン「ジェネラルリサーチ パラサイト フォー イズネス」がリリースされ、往年のファンだけでなく若い世代も巻き込み話題となりました。
Profile
小林節正(. . . . .RESEARCH〉代表)
1961年1月生まれ、浅草出身。〈. . . . .RESEARCH〉代表。山の〈マウンテン リサーチ〉やカスタムバイクの〈R.E.R〉こと〈ライディングエキップメント・リサーチ〉の展開、さらに2021年にオープンしたキャンプ場「水源の森 キャンプ・ランド」をプロデュースし、不定期で「ANARCHO MOUNTAINEERS」と題したイベントも開催。街も自然も、自由に行き来し自由に楽しむ姿勢は、多くのファンの心を掴んで離しません。
インスタグラム @anarchomountaineers009
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