スタイルの履歴書。北村信彦 #8

Text:Kenichi Aono

Edit:Yusuke Suzuki

REGULAR

ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第6回目は〈ヒステリックグラマー〉のデザイナーであり、常に音楽と共に生きる北村信彦さんのストーリー。

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08. ブランド最初の展示会にやってきたのは……。

6月にブランドが立ち上がって、7月には展示会をやることになりました。3、40点ほどサンプルをつくってどうにかギリギリかたちになったかなという感じでしたね。それで初日を迎えて、一番最初に女性が会場に入ってきたんです。その方は険しい顔してぐるっと商品を見て帰っていかれた。会社のひとに「だれですか、いまのひと」と訊いたら当時の『Olive』の編集長、淀川さん(淀川美代子。故人)。えー! もうちょっと自信がついてから呼びたかったのにだれだよ呼んだの……そんな気持ちになって落ち込みましたね。その夜、ぼくあてに電話があって、出たらなんと淀川さん。なんか注意されるのかな……とビクビクしながら電話に出ました。

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