Text:Kenichi Aono
Edit:Yusuke Suzuki、Miyoko Hashimoto
ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第5回目は原宿のインポートショップ「ラブラドールレトリバー」代表の中曽根信一さんの半生を辿ります。
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12. 順風満帆の「ラブラドール リトリーバー」。
「ラブラドール リトリーバー」のオープンは1988年9月。普通のひとだったら店を始めるときに予算組みやらなんやらいろいろすると思うんだけど、ぼくは単純に「1日10万円なら売れるな」と考えただけでした。これだけ売れればやっていけると思ったんです。最初の月は予想をちょっと上回る程度でしたが12月には売り上げが1000万円を超えるようになりました。ヴィンテージのすごい一点ものを見つけたのと同じ感覚で「これいいじゃん」とアメリカで買いつけた日本に入ってきていないものたちが次々ヒットしたんです。商品調達で「バックドロップ」時代の取引先を頼れなかったのは、いま思えば店の個性を確立するのに逆に役立ったんですね。