ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第3回目は日本を代表するメンズブランド〈タケオキクチ〉の創設者兼デザイナーの菊池武夫さんの半生を辿ります。
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9. 自分たちの世代が共鳴、共感してくれる服を。
〈BIGI〉を始めるにあたっては、自分たちの世代が共鳴、共感してくれそうな服という漠然としたイメージを描いていました。自分の表現がどのように受け止められるかが楽しみでしたし、どんなひとが買ってくれるのかにすごく興味がありましたね。1968年の渡欧のとき、ミラノのショールームなんかも見たんですが、その規模に驚きつつ、日本に比べてインテリアに対する熱量が高いなと感じました。このとき得た、「家具やインテリアは生活の基盤を表すもの」という感覚から、日本でも洋服だけじゃなくてすべての生活環境を網羅してプレゼンテーションしたいと思うようになりました。ただ当時の自分たちにはそれを実現する余裕はなかったですね。