スタイルの履歴書。 菊池武夫 #6

Text:Kenichi Aono

Edit:Yusuke Suzuki、Miyoko Hashimoto

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ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第3回目は日本を代表するメンズブランド〈タケオキクチ〉の創設者兼デザイナーの菊池武夫さんの半生を辿ります。

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6. 服のイメージが絵となって浮かんでくる。

 服飾を学んでいるころは、自分の着る服はスーツから少しカジュアルな方向にシフトしていきました。セーター、パンツにジャケットかコートという感じですね。こういう着こなしはまわりには誰もいなかった。テーラーでオーダーした、襟にテンのファーをつけたトレンチ・コートをよく着ていたのですが、レインコート地で仕立てたので着込んでいくとくたびれ、よれてくるわけです。それが格好よくて「これがカジュアルなんだ」というふうに感じました。いいものを着続けていった先にあるこなれた感じとでもいうのかな。

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