Good Watch, Good Style - 時計と服のいいカンケイ。Vol.06 Cartier TANK LOUIS CARTIER WATCH Mini Model
「まぁいっか」の繰り返しで進む、ぼくらの人生。別にネガティブなことを言ってるワケじゃなくて、これが人間のフツーだと思う。おしゃれするときだって、その日の予定は気にするけど別に正解なんてない。なんとなくTPOを考えて、よいと思う方に寄せているだけな気がする。
そういえば、ある編集者は若かりし頃、「パークハイアット」のボールルームで開かれた、高級化粧品メーカーのディナーパーティにまぁまぁ値が張る、穴開きのヴィンテージジーンズで行ったら、周りは背広姿やドレス姿のひとたちで大恥をかいたと言っていたが、ひとはしくじることで学び、成長する。
この話は極端だけど、「まぁいっか」の状況を見極めるポイントは、人生経験を積めば分かってくる。服装ならまだしも、結婚、転職、移住とか、人生を左右するイベントでミスしたら「まぁいっか」じゃ済まされないからね。
考えてみると、仕事も勉強も自分に負荷をかけなきゃいけないタイミングってある。歯を食いしばってやるのはいいけど、ある程度のところまできたら手を止める勇気を持つのも大事かも。つねに100パーセントを求めていたら、時間は足りないし、身体はショートしちゃうから。「ガムシャラな努力だけでは、それが実らなかった場合、苦痛になる」って池波正太郎がエッセイ『男の作法』で言ってたな。
タイパ重視の世の中で「まぁいっか」の重要性がどんどん増しているように思うのは気のせいか。
ただ、その言葉ひとつでは片付けられない魅力が〈カルティエ(Cartier)〉の時計にはあった。この「タンク ルイ カルティエ」ウォッチのミニモデルだ。
〈ティー・ティー〉スエットシャツ ¥53,900(ティー・ティー)
〈ゴラル〉スニーカー ¥45,100(伊勢丹新宿店)
そもそも「タンク」ウォッチの誕生は1917年。意外なことに、第一次世界大戦で登場した〈ルノー〉社製の戦車の平面図を参考にデザインされた。角を丸くしたレクタンギュラーケース、サファイヤを頭に乗せたりゅうず、ローマ数字のダイアルなど、その見どころはいくつもあり、当時主流だったアール・デコを追い風にウォッチ界の注目の的になった。
この時計はアンティ・ウォーホル、ジャクリーン・ケネディ、ジャン・シャルル・ドゥ・カステルバジャックなど、錚々たるアーティストも魅了した。なかでもデザイナーのカステルバジャックは「もしもすべてのタンク(戦車)が〈カルティエ〉でつくられるなら、私たちはずっと平和に暮らすことができるのに」と時計への深い愛を言葉にした。
そんな名機のミニモデルは昨年登場した。ファッション好きが驚いたのは、寸分違わずスケールダウンしたその姿。表情はいつもの “タンク” そのままなのに、小さくなったことでよりさまざまなスタイルになじみやすくなった。
今回、スエットシャツとキャンバススニーカーに合わせてみたが、クワイエットなおしゃれを楽しみたいひとにはもってこいな一本といえるだろう。
ところで、軽い気持ちの「まぁいっか」も過ぎた時間は戻らないので、くれぐれもご注意ください。
ケース : イエローゴールド、24×16.5 mm
厚さ : 6.2 mm
ムーブメント:クォーツ
防水:日常生活防水
価格 : ¥1,201,200
電話:0120-1847-00
オフィシャルサイト
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