ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載で、毎週月・水・金曜更新。第15回目に登場いただくのは、〈. . . . .RESEARCH〉代表であり、アウトドアからカスタムバイクまで、まさに我が道をいくスタイルを貫く小林節正さんです。
02. 目で見て自然に身についた靴づくりの流れ。
中学2年くらいに出た『Made in U.S.A. catalog』(1975)は、自分が何にも知らないときに出合ったというのもあってインパクトが大きかったですね。アメリカのああいうものをあれだけの量で見せられて本当に驚きました。これで自分が初期設定された感じです。カルチャーでしたよね、あれに載っていたのは。BMXやマウンテンバイク風に改造された自転車の話なんかもあって。ツールもたくさん載っていたから、うちの職人たちのと全然違うなぁ、と思ったり。こっちの職人が腹掛けしてる時代にアメリカじゃチェックのシャツ着て働いているわけですから。
テレビでやっていたアメリカのドラマの影響もあって、アメリカのものはかっこよく思えましたね。ロス市警のパトロール警官ふたりを主人公にした『特捜隊アダム12』では、オープンカラーシャツのインナーにビシッとTシャツを着ていて。肌着じゃなくてそういう雰囲気のTシャツを求めて、アメ横や道玄坂からちょっと入ったところに4軒あった露店で〈Fruit of the Loom〉を買ったりはしたけど、メディアを通じて小さく見えていたアメリカの景色はまだまだ遠かったですね。
1976年に創刊された『POPEYE』も、天井の出窓みたいな存在でした。そこからさまざまな情報が降り注ぐという感じで、創刊号からの流れは本当にすごかった。スケートボード、〈VANS〉、それからフォルクスワーゲンのビートル……面白かったなぁ。
Profile
小林節正(. . . . .RESEARCH〉代表)
1961年1月生まれ、浅草出身。〈. . . . .RESEARCH〉代表。山の〈マウンテン リサーチ〉やカスタムバイクの〈R.E.R〉こと〈ライディングエキップメント・リサーチ〉の展開、さらに2021年にオープンしたキャンプ場「水源の森 キャンプ・ランド」をプロデュースし、不定期で「ANARCHO MOUNTAINEERS」と題したイベントも開催。街も自然も、自由に行き来し自由に楽しむ姿勢は、多くのファンの心を掴んで離しません。
インスタグラム @anarchomountaineers009