スタイルの履歴書。長濱治 #12

Text:Kenichi Aono

Edit:Yusuke Suzuki

REGULAR

ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第8回目は写真家の長濱治さん。世の中の常識からはみ出しながら懸命に生きるひとたちを中心に被写体とし、半世紀以上ファインダーを覗き続ける価値観に迫ります。

12 13

12. 『MY BLUES ROAD』が誕生するまで。

 風景とブルースを求めての旅の初回はニューオリンズから61号線、いわゆるブルース街道でミシシッピを北上していきました。ブルースの基礎をつくった大物ブルース・アーティストは、クラークスデール、グリーンヴィル、グリーンウッドという町に囲まれたデルタ地帯からたくさん出ているんですよ。

 この旅で最初にやったのは、風景や「ショットガン・ハウス」と呼ばれる住宅、バーバー・ショップ、小さなマーケットといった昔からある佇まい、つまり頭のなかで勝手につくったブルースの情景を撮っていくこと。

この記事は有料会員限定記事です

続きを読むには

料金プラン
月額 ¥880 (税込)