裏方の手土産 VOL.1 五十嵐 宗(Ginza Sony Park スタッフ)


五十嵐 宗
「Ginza Sony Park」「Sony Park Mini」のデザインや企画を担当。東京・恵比寿の「Winestand Waltz」、「Le cabaret」などのグッズやワインのエチケットデザインも手がける。
Instagram:@igrss
わたしのおすすめの手土産は「MERCI BAKE」のお菓子3種です。「MERCI BAKE」は、店主の田代翔太さんをはじめ、スタッフのみんなとも仲良くしてもらっているので、ことあるたびにお菓子を買いに行くお店です。というか、わたし自身がもともと甘いものをそこまで好んで食べないので、スタッフのみんなに会いたくて、ついでに何かを買う、くらいの気持ちで通っています。
そして松陰神社というお店の立地がそうさせるのか、この店の存在は知っているけど頻繁には行けない、というひとも少なくないので、手土産としてお渡しすると本当に喜ばれます。
季節によって店頭で用意しているお菓子のラインナップは様変わりしますが、レアチーズケーキ、ラテジャー、キャロットケーキは、わたしの中でなんとなくこの店の御三家的なイメージがあります。
甘・酸・香の調和がとれたこの御三家セットを手土産でお渡しすると、だいたい先方の中で取り合いになります。平和な争いは嬉しい限りです。
そういえば、以前スタイリストの長谷川昭雄さんとお仕事をご一緒させてもらった際に、きっと行ったことないだろうなと思って「MERCI BAKE」のクッキー缶をお礼もかねて渡しました。感想は特に聞いてないですが、きっと美味しく食べてくれたはずです。そうであってほしい。
手土産を選ぶときは、「MERCI BAKE」もそうですが、中のひとの顔が見えるお店のものを選ぶようにしています。そのほうが、自信をもって手土産として先方にお渡しできますしね。あとは、自分自身が普段から食べていたり、愛用したりしているものを手土産として選ぶことがやっぱり多いです。
手土産だからといって、変にカッコつけて普段自分が買わないものを選んで、挙句それで美味しくなかったら、登場人物全員が不幸ですから。
過去にいただいた手土産でいうと、去年「Ginza Sony Park」のちっちゃい版「Sony Park Mini」で平野紗季子さんが手掛ける「(NO) RAISIN SANDWICH」とのコラボレーションプログラムを企画した際、設営のときに紗季子御大みずから、大量のおにぎりを手土産で差し入れてくれました。
たしか、駒沢のおにぎり専門店「てとてを」のおにぎりだったと思うのですが、設営という肉体労働現場に美味しいおにぎりを手土産で持ってきてくれるあたり、さすが食欲の権化だなと、いたく感心しました。
いろいろ振り返ると、手土産はもらう側も嬉しいと思いますが、選ぶこちら側も嬉しい。どこのお店で買おうかなと考えあぐねたり、店頭でいろいろ目移りしながら選んだり、楽しい幸せなひとときを過ごさせてもらっています。手土産って、みんなハッピーな文化ですね。