TECH FREAK - ギークな未来百貨。
Vol.8 OPPO Find X8
少し前に「KYOTOGRAPHIE」へ行ってきた。2013年にスタートしたこの国際的な写真祭は、名前からも分かるように京都が開催地。毎年のように京都出張があるけれど、いつものことながら海外旅行者の多さに驚く。モノより思い出と言わんばかりに、今回も街中にたくさんのひとが溢れていた。
ぼくらの滞在期間は1泊2日で、隙間なく各地に点在する展示を回った。近場はレンタサイクルや徒歩で巡り、雨が強いときはタクシー頼り。そんなものだから、一緒に動いていたカメラマンの荷物は必要最低限。それでも撮影機材は重たい。
雨の中走るタクシーの車内で、カメラマンが「本当はそのスマホでいい気もするんですよね」と、ぽつりと呟いた。そのときに使っていたのが、今回取り上げる「OPPO Find X8」というスマートフォンだ。
写真には透かしの有無を選ぶことができる。
モノは試しと最初はシューズをたくさん撮っていた。
近頃のスマートフォン事情を大雑把にまとめると、生成AI搭載で、きれいな写真が撮れて、見やすい画面というのがトレンドになっている。正直なところ、小さな変化が多く、差がわかりにくい。だからこそ飛び抜けて優れた一芸があると、グッと興味が湧いてしまう。「OPPO Find X8」にとってそれはカメラ。なにせあの〈ハッセルブラッド(Hasselblad)〉と共同開発したカメラを搭載しているのだ。
実は近年、カメラにこだわったスマートフォンが増えている。〈シャオミ〉と〈シャープ〉は〈ライカ〉、〈ソニー〉は〈カール ツァイス〉と組むなど、スマートフォンのカメラというより、カメラが得意なメーカーと取り組んだスマートフォンという印象さえある。
〈オッポ(OPPO)〉が手を組んだ〈ハッセルブラッド〉は言わずもがな、スウェーデン発の高級カメラメーカー。広告などで使用される中盤カメラを得意としていて、気軽には手を出せないぐらい高額なカメラが多い。それがこの金額で手に入り、スマートフォンの機能もあるなんて…! 期待を込めて、京都はもちろんのこと、大阪・関西万博や沖縄への出張、八ヶ岳やバス釣りなどの普段の撮影まで、常に持ち歩いてみた。そこで気付いた。このスマートフォン、思い出を写真に残したくなる魅力に溢れているなと。
というのも、とにかく写りがいい。目で見た以上にドラマチックな写真が撮れている。
カメラ性能を確認すると、アウトカメラは3つのレンズが付いていて、そのすべてが5,000万画素のイメージセンサーを採用。レンズはそれぞれ、超広角が焦点距離15mmでF値2.0、広角の24mmがF値1.8、望遠カメラが焦点距離73mmでF値2.6となっている。さらに約3200万画素、F値2.4のインカメラが付き、ズーム性能は0.6倍から最大120倍まで対応としっかりとした機能がある。
でも、数字やAIだけで写真がよくなるわけではない。やはり、1841年から続く〈ハッセルブラッド〉の積み重ねの力も大きいのだと思う。
撮影モードはいろいろあるのだけど、今回はほぼすべてマスターモード。ISO感度、シャッタースピード、ホワイトバランス、露出補正などが自分で設定でき、RAWでの撮影にも対応している。
F値の選択によりきれいなボケ味を楽しめるポートレートモードや、夜間撮影時の明暗差で白飛びしてしまうのを抑えてくれる夜景モード、パノラマ撮影ができるXPANなどもあるけれど、とにかく慣れないことをせずに、いつも通りに撮った結果が今回。
しかも、ノーレタッチの撮って出しにしてみた。滅多にモノを褒めない某先輩が写真を観て、「すげえきれいだな」と言っていた。本当にそう思うし、なんだか嬉しい気持ちになる。
冒頭に書いた通り、京都では写真と向き合い、なぜ写真を撮るのかという問いについて考える時間が幾度かあった。結局のところ、多くのひとは思い出を残すためというシンプルな答えだと思う。そんなとき「OPPO Find X8」で撮った写真なら、記憶や思い出が鮮やかに蘇るはず。実際に写真を観ながらこの原稿を書いていて、少ししんみりした気持ちになった。
そうそう、カメラの話しばかりで全体的な使い勝手に触れてなかったけれど、〈オッポ〉のColorOSはiOSに似ているので、「iPhone」ユーザーはすごく使いやすい。AIはもちろん搭載しているし、約6.6インチのフラットディスプレイで画面も大きく、約193gと軽い。最上位モデルらしいこだわりで、買い替えても満足度が高いと思う。ちなみに、6月末から7月にかけてミドルレンジの「Reno」シリーズやタブレット、イヤホンなどのさまざまな新作も登場を予定しているのだとか。
でも、やはり「OPPO Find X8」だ。下手なカメラを買うならこれを買ったほうが多分幸せになれる。素敵な写真は観たひとも、撮ったひとも、幸せにする。ということで編集長、これ読んだら取材用に1台導入してくれないですか。