Text:Kenichi Aono
Edit:Yusuke Suzuki
ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、記念すべき第10回目は音楽家として幅広い活動をしながら、クルマや時計、それにファッションなどを愛する人としても知られる松任谷正隆さんが登場。6月の計13回に及ぶ言葉と写真などから、松任谷正隆さんのスタイルを教えてもらいましょう。
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09. あのとき以上の緊張はなかったライブ・レコーディング。
吉田拓郎の録音のすぐあと、小坂忠さん(シンガー・ソングライター、牧師。故人)のバンド「フォージョー・ハーフ」に参加することになりました。狭山の米軍ハウスのひとつを借り、メンバーはそこで共同生活。リビングとふたつのベッドルームがあって、ぼくはペダル・スティールギターの駒沢くん(駒沢裕城)と、もうひと部屋は林と後藤次利(ベーシスト)でした。湿気がひどい家だったのと、共同生活は嫌いだからいつも自分の家に帰ってましたけどね。だけど、あのころ狭山の家で朝に必ず流れていた、というかぼくの趣味でかけていたボズ・スキャッグスの『Dinah Flo』は「これがここの家だよね」という感じがして印象に残っています。