スタイルの履歴書。大貫憲章 #4

スタイルの履歴書。大貫憲章 #4

Text: Kenichi Aono

Edit: Yusuke Suzuki

REGULAR

ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第13回目は音楽評論家・ラジオDJ、そして2025年に45周年を迎えたDJイベント『LONDON NITE』を主宰する、大貫憲章さんが登場です。

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04. GSのライブをはじめて体験した高校時代。

 ビートルズの来日が契機になったんだと思いますが、1967年あたりから日本にもバンドが目立ってくるようになります。それまではシンガーとかボーカル・グループが楽団をバックに歌うって時代でしたが、音楽業界が「エレキやバンドが金になる」と、そっちにシフトしていくんですね。これがいわゆるGS(グループ・サウンズ)ブーム。高校1年とか2年のころ、そのあたりに詳しいやつが同級生にいて、彼と一緒にはじめてGSのライブを観にいくことになるんです。

 最初に行ったライブハウスは新宿南口にあった「ACB(アシベ)」。普通に客として行ったんですが、やがてその友達が「タダでライブを観られる方法があるぞ」という。これは機材車から機材をおろして所定の位置に設置するのを手伝うというもので、なぜか友達はバンドのローディーのひとたちとも顔見知りだった。それでぼくもそれに乗っかるようなかたちでやることにしたんです。ただ、客席で観ることはできなくなって、楽屋か楽屋までの通路で演奏を聴いていましたね。はじめのころは学生服で行ってたんですが、制服はさすがにマズイだろということで、駅のトイレで私服に着替えるようになりました。

 ぼくたちが仲良くさせてもらっていたのが「ビーバーズ」というバンド。当時のGSのバンドは海外の曲のカバーがライブのレパートリーのほとんどだったので、演奏した曲についてや楽器のことを訊いたりしましたね。

  • 音楽評論家をはじめて半世紀以上。55年の節目にあたる2025年1月1日の元旦に出版された『大貫憲章 / HISTORY OF KENSHO ONUKI 大貫憲章 回顧録 人生夜話』。220ページにもおよぶ1冊のなかには、内田裕也さん・松任谷由実さん・渋谷陽一さん・伊藤政則さん・忌野清志郎さんなど、大貫さんと同じ時代を生きたひとたちとの知られざるエピソードも同時収録されています。

    音楽評論家をはじめて半世紀以上。55年の節目にあたる2025年1月1日の元旦に出版された『大貫憲章 / HISTORY OF KENSHO ONUKI 大貫憲章 回顧録 人生夜話』。220ページにもおよぶ1冊のなかには、内田裕也さん・松任谷由実さん・渋谷陽一さん・伊藤政則さん・忌野清志郎さんなど、大貫さんと同じ時代を生きたひとたちとの知られざるエピソードも同時収録されています。

Profile

大貫憲章(音楽評論家・ラジオDJ)

1951年2月生まれ。大学在籍中より音楽評論家としてキャリアをスタートし、その活動歴はすでに半世紀以上。特にパンク・ロックへの造詣が深く、1980年6月に新宿の「ツバキハウス」でスタートした『LONDON NITE』は現在も続くDJイベントで、その影響力は計り知れません。2025年1月には『HISTORY OF KENSHO ONUKI 大貫憲章 回顧録』を出版。毎週金曜日の24時からinter FMで『Kenrocks Nite – Ver. 2』が放送中。

インスタグラム @kensho_onuki

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