Good Watch, Good Style - 時計と服のいいカンケイ。Vol.01 PATEK PHILIPPE CALATRAVA 5227


近年、加速度的に生まれるさまざまなイノベーション。「ChatGPT」に代表される生成AIや、現実と仮想の世界を結ぶXR、〈テスラ〉がリードするEVなど、ひと昔前だったら夢のようなテクノロジーがもう世の中に普及し、その裏では次なる新たな発想が着々とカタチになっている。一説には今後10年で過去100年分の技術革新が起こるとか。このスピードで行けば近い将来、ネコ型のロボットがタケコプターとかどこでもドアを出してくれる日が本当にやってくるかもしれない(笑)。
そんな時代の流れのなかでも変わらないものといえば、ぼくらの服だ。素材開発やマーケティング、流通といった工程は進化するテクノロジーの恩恵を受けているけど、ファッションスタイルそのものは変わっていない。最近、アメカジやトラッドが再び注目され、その潮流は民主化するラグジュアリーの世界とリンクしているようにも見える。
いまラグジュアリーブランドのなかで存在感を放つのは〈ザ・ロウ(THE ROW)〉だ。“究極のシンプル” という謳い文句の通り、その服のルックスに派手さはないけど、素材選びと仕立てへのこだわりは尋常ではない。ファッションは好きでも華美なものを求めない大人たちの行き着く先が〈ザ・ロウ〉というのがよく分かる。
〈ザ・ロウ〉の服や靴に馴染むのが〈パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)〉の時計「カラトラバ5227」である。そもそも「カラトラバ」の誕生は1932年。ドイツのバウハウスから影響を受けたという美しいデザインはラウンド型ウォッチのお手本とまでいわれている。
その血筋を継ぐ、2013年生まれの「カラトラバ5227」は、〈パテック フィリップ〉のオフィサーモデルのつくりを踏襲した一本だ。オフィサーモデルはサファイヤクリスタルの裏蓋にダストカバーを付けた時計のことで、これもこのブランドを語る上で欠かせない。しかも本作のカバーは閉まっていると、ヒンジが見えない “インビジブル・ヒンジ” のためカバーがあるのかさえもよく分からないほど、緻密にできている。これをそっと開けて見れるのは自動巻きのムーブメント、キャリバー26-330 S Cの細かい動き。機械式時計の日差は前後20秒が許容範囲といわれるなかで、これは−3秒から+2秒の精度を誇るからすごい。そして、カバーを閉める時に「カチッ」と小さな音を立てるのだが、その様子はまさに “クワイエットラグジュアリー” そのもの。
〈パテック フィリップ〉がデザイン面でも機能面でも時計の世界で起こしたイノベーションは現在のファッションのトレンドを先取りしていたといってもいいだろう。
ケース : 18Kイエローゴールド、39mm
厚さ : 9.24mm
パワーリザーブ:最大45時間
価格 : ¥6,400,000
電話:03-3255-8109
オフィシャルサイト
電話:03-4400-2656
オフィシャルサイト