HANG OUT VOL.2

NO GAMBLING, NO LIFE. part.1

Chapter 04

2024.10.10

Text:Akiko Maeda

Edit:Yusuke Suzuki, Naoya Tsuneshige

Illustrator:Misaki Kawahata

HANG OUT VOL.2

HANG OUT VOL.2NO GAMBLING, NO LIFE. part.1

ギャンブル沼のひとたち、魂のさけび。-前編-

ときには人生の大半を賭け、負けたらすべてを失う大勝負に出ることもある。ギャンブルには、我流の勝負哲学があるという。賭け事の魔性に魅せられたひとたちの初体験から必勝法、勝ち金の使い道までその思考を丸裸にした。

Chapter 04 | NO GAMBLING, NO LIFE. part.1

泉 敦夫
(スタイリスト)

ー好きなギャンブルは?

パチンコ。

ー頻度はどれくらい?

言えません(笑)。

ー初めてのギャンブルは?

パチンコ。

ーハマったきっかけは?

19歳の頃に地元のバイト先の先輩に連れて行ってもらい、数万円負けてそれを取り返したくて行きはじめました。

ー1日の最高勝ち額と最高負け額は?

最高勝ち額は14万円、最高負け額は12万円。

ー勝ち金の使い道は?

全ギャンブラーがそうだと思いますが、勝ったら「服を買おう」「おいしいものを食べよう」「誰かに奢ってあげよう」などと一瞬は思うのですが、結局ギャンブルにすべて使って負けて終わりです。

ー好きなお酒は?

勝ったときは日高屋でレモンサワー、負けたときも日高屋でレモンサワーです。

ー自分なりの必勝法や願掛けは?

たくさんあるのですが、打ちにいくときの服装は部屋着のような格好だと台に対するリスペクトが欠けてしまうので、普段通りで行くこと。欲深いことは考えない。朝イチから並んで気合いを入れすぎると負けるので、朝からは行かない。アタリを引くと台がレインボーに光るので、それにちなんで缶コーヒーのボス レインボーマウンテンブレンドを飲む。ただ、なんでもやりすぎると効力が弱くなるので流れを変えたいときにだけ飲みます。財布に入っているお札は一回ATMに預けて、まっさらな状態のお金を引き落として使う。

ーいま気になる(挑戦したい)ギャンブルは?

小学生の頃に友達とよく自転車競争をしていたのもあり、競輪です。選手同士のフィジカル勝負でもあり、駆け引きもあり、賭けなくても純粋に競技として楽しいなと思います。

ーギャンブルの魅力とは?

勝負をしているドキドキ、ワクワク感は他ではなかなか味わえないなと思ってます。スタイリストという仕事も近しくて、人生を賭けて地元から出てきたのでいつもドキドキ、ワクワクさせてもらっています。あとは、個人的に勝っているときよりも、「今日は負けてしまう」と覚悟をして、ラスト500円分からその日の負け分をすべて取り返して大逆転したときに脳汁があふれた瞬間をいまも忘れられずにいます。

すーなか
(ボートレース芸人)

ー好きなギャンブルは?

ボートレース。

ー頻度はどれくらい?

365日、つまり毎日です。

ー初めてのギャンブルは?

大学生のときに知り合いのお兄ちゃんにボートレース住之江に連れて行ってもらったのがきっかけです。

ーハマったきっかけは?

初めて行ったときに1万円が5万円になった。20代前半の頃は月に何度か本場に行く程度でしたが、電話投票、インターネット投票の普及で家でもできるようになり、そこから家でもちょいちょい。やりすぎていまは解説や、ボートレース番組のMCみたいなのを毎日仕事としてやってます。

ー1日の最高勝ち額と最高負け額は?

最高最高勝ち額は100万円、最高負け額は20万円ほど。

ー勝ち金の使い道は?

誰かと一緒にいたら呑みに行くくらいです。残りは明日の舟券代へ消えていきます。

ー好きなお酒は?

基本的にビール党です。勝ったときはできるだけ誰かに奢るようにしています。どうせ明日なくなると思ってるので。負けたときは呑まずにじっとしています(笑)。

ー自分なりの必勝法や願掛けは?

やればやるほど勝てないことは身を持って体験してるので、基本的に期待はしていません。たまに勝ったときに誰かが一緒に勝ってくれたらと思って仕事しています。いつか大金で勝負したときに当たってくれればと思いそのときを待ってます。やめなければ負けは確定しない精神で日々やってます。

ーいま気になる(挑戦したい)ギャンブルは?

やはりカジノ。バカラやポーカーなど。たまに海外でやっていますが、テラ銭がないギャンブルは魅力的です。

ーギャンブルの魅力とは?

非日常的体験。勝ちにこだわるひとは別として、やることに幸せを感じるタイプのぼくみたいなひとは、基本負けることに興奮しているのかもしれません。勝ったときのことより、負けたときのことの方が覚えています。

ヤソメユウヤ
(編集者)

ー好きなギャンブルは?

競馬一択です。10年ほど見続けてると、以前応援していた馬が子を産んだり、人間側も人間側で、騎手の息子が出てきたりと、まるで『スター・ウォーズ』を観ているかのような壮大さを感じることがあります。

ー頻度はどれくらい?

基本は、日曜日に開催されるG1のメインレースを中心に嗜んでいます。なので春と秋がギャンブルのメインシーズンになります。そして、ホープフルステークスが終わることで、本当の意味での年末がやってきます。

ー初めてのギャンブルは?

忘れもしない2015年の第60回有馬記念です。当時、地方誌の編集者をしていた私は、その年、業績の悪化から冬の賞与が出ないと会社に宣告されました。なんとも言えないやりきれない気持ちを払拭するため、一縷の望みをかけて初めて馬券というものを買いました。

ーハマったきっかけは?

まさしく、初めての競馬でビギナーズラックってやつを当ててしまったことです。1着ゴールドアクター、2着サウンズオブアースの馬単で、300円が4万円になり、そのときはじめて神の存在を意識しました。それと同時に、競馬って案外チョロいなと思ってしまいました(それが間違いだと気づくのに時間はかからなかったです)。

ー1日の最高勝ち額と最高負け額は?

最高勝ち額は先ほどの4万円ほど、負け額は現地観戦での1万円ぐらいでしょうか。無頼派ではないので、日々の生活を脅かすほどの高額の賭け金で楽しむことはなく、少額でちまちまとお小遣い稼ぎ程度で遊ぶのが基本です。悲しいかな、夢はあまりないやり方です。

ー勝ち金の使い道は?

「もし勝ったらDANSKやstaubの鍋を買おう」と思いながら賭けています。これはギャンブル中も北欧のカラフルな鍋を頭の中でイメージをすることで、おしゃれ人間としての道を踏み外さないようにしています。実際ですが、いちばん地味な勝ち金の使い道としては住民税を支払ったことがあります。

ー好きなお酒は?

むしろレース前日の土曜の晩に、ビールを呑みつつ、スポーツ新聞を見ながら予想をするのがいい時間ですね。ゲートが開かない限りは、純度100%の希望しかなく、まだ負けというものが存在しません!

ー自分なりの必勝法や願掛けは?

「負けに不思議の負けなし」と野村監督も言っていましたが、負けた理由を振り返り反省することで、いかに運に頼らないかが重要です。人気薄の馬が好走したときこそ、実は勝利の理由があったりします。適当な数字を選ぶとかがいちばんつまらない賭け方です。G1に関していうと、とりあえず、クリストフ・ルメール(ユニクロじゃない方)を買っておけばいいという必勝法もあります。

ーいま気になる(挑戦したい)ギャンブルは?

自宅から5分ほどの場所に東京オーヴァル京王閣があり、競輪はずっと気になってます。コンビニや銭湯に行く感覚で、スキだらけの格好でフラッと行ってみたいなと思ってます。

ーギャンブルの魅力とは?

ギャンブルとは己との自問自答です。あくまで自分が導き出した予想との答え合わせを楽しむ作業なので、実はお金を賭けなくても楽しいのかもしれません。ただ、100円でも賭けることで真剣味が増すのも事実。山下達郎の「サンデー・ソングブック」を聴きながら予想をし、15時40分のメインレースの出走まで、予想が揺れに揺れ動く優柔不断な心もようこそが醍醐味かもしれないです。

北畑龍一
(ドラマ演出家)

ー好きなギャンブルは?

スロット、ボートレース。

ー頻度はどれくらい?

月1〜2回くらい。

ー初めてのギャンブルは?

CR新世紀エヴァンゲリオン軌跡の価値はVF素人の友達と地元で。ビギナーズラックで30万円勝ち(友人が)。ノリ打ちの概念を知らなかったため、私は一日中つきあってマイナス(ノリ打ちなら大勝ちだったのに!)。でも友人にフグを奢ってもらいました。「いつか自分もあれだけドル箱積み上げてみたい」というのがハマったきっかけでもあります。

ーハマったきっかけは?

ボートレースにハマったきっかけは「1号艇の峰は基本勝つ」という友人のオカルトを信じてみたことから。あれだけ期待されていて、本当に勝ち続ける峰さんは凄すぎです。

ー1日の最高勝ち額と最高負け額は?

特にハマっていた、スロットサクラ大戦の7000枚。好きすぎて勝率7割くらいいってました。

ー勝ち金の使い道は?

助監督で参加していた映画の撮影中にどうしても予算が足りなくなってしまったことがあり、プロデューサーに相談したら「じゃあギャンブルで増やすしかない!」というファンキーな方で。みんなからカンパを集めて賭けたところ、見事増やすことに成功し、満足いくシーンを撮影できたことがあります。もし大きな勝ちを得られたら、普通の撮影シーンを異様に豪華にしてみたいです。スーパーカーが出てきたり、ボス役のスーツや時計が異常に高級だったり(笑)。もちろん自己満ですが、撮影時のそういう遊びは現場が盛り上がりますね。

ー好きなお酒は?

とにかくビールです。おつまみもビールに合いそうなものばかり好きです。どんなビールの銘柄かも大事なんですが、正しい注ぎ方と冷えたグラスで呑むことで、何倍もおいしく感じることを発見してから、ビアバーで呑む美しいビールが大好きです。

ー自分なりの必勝法や願掛けは?

ギャンブル中の昼の食事は、とにかく高いものを食べる。ビビったやつが負けると思ってます。昼は時間をかけていいお店を選んで、いちばん高いものを食べます。それと、終わったらちゃんと呑む予定を入れておく。これで勝てた日は最高の一日に仕上げるつもりで。ギャンブル中は、絶えず心のなかでなにかに話しかける。ボートや筐体自体に。仲良くなれないと勝てません。

ーいま気になる(挑戦したい)ギャンブルは?

海外でカジノに行ってみたいです。「旅行に行ったはずなのにお金が増えて帰ってくる」なんてかっこよすぎますよね。

ーギャンブルの魅力とは?

穴狙いで大逆転したときの“やってやった感”がやめられないですね。確率論ではなく精神論でギャンブルしています。これで勝てたら気持ちいいだろうな、の方にかけます。そして、負けてる流れを捻じ曲げられたときに楽しさを感じます。

無職のあらい
(競馬YouTuber)

ー好きなギャンブルは?

競馬だけやらせてもらっております。

ー頻度はどれくらい?

毎週末の土日の週2日です。中央競馬のみやらせてもらっております。

ー初めてのギャンブルは?

先輩とオールで呑み、徹夜でそのままWINS渋谷にて、競馬を打ちました。

ーハマったきっかけは?

ビギナーズラックですね。初めて馬券を買って、2レース連続万馬券が的中してしまい、以後競馬にハマってしまいました。

ー1日の最高勝ち額と最高負け額は?

最高勝ち額は、5000円が48万円。最高負け額は土日で10万円。

ー勝ち金の使い道は?

呑み代に消えてしまいます。勝った日は、おいしいものを食べにいきます。たまには旅行資金に回したりもします。

ー好きなお酒は?

瓶ビールです!

ー自分なりの必勝法や願掛けは?

ひとが買っていない人気のない穴馬を見抜いて、その穴馬が勝利したときに儲けさせてもらっています。人気の馬が負けたときに、いかに多く穴馬に張っているのか。そして、なるべく馬肉は食べないようにしております。

ーいま気になる(挑戦したい)ギャンブルは?

海外では、日本のG1レースを発売して、日本にない馬券(4連複、4連単)の発売があるのでそれを買ってみたい。

ーギャンブルの魅力とは?

たった一瞬で、見える風景が変わるところ。

越野由祐
(美容師・ヘアメイク)

ー好きなギャンブルは?

競馬です。

ー頻度はどれくらい?

年2、3回くらい。

ー初めてのギャンブルは?

競馬。

ーハマったきっかけは?

子どもができてから、競馬場という場所が自分が想像していた以上にテーマパークのようで、ピクニックしながら馬も見れて、遊具もあって、子連れにとって最高の場所だ! となり、競馬場に行くこと自体が楽しみになったのがきっかけです。

ー1日の最高勝ち額と最高負け額は?

最高勝ち額2万円、最高負け額1万2000円。

ー勝ち金の使い道は?

その日の夕食資金。

ー好きなお酒は?

ビール。

ー自分なりの必勝法や願掛けは?

直感です。

ーいま気になる(挑戦したい)ギャンブルは?

ボートレース。

ーギャンブルの魅力とは?

「ギャンブル=賭け事」なのはもちろんなのですが、それだけでなくその場所での自分の好きな過ごし方、時間の使い方はそれぞれなのに、勝敗が決まる瞬間のあの一体感がたまりません!

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