スタイルの履歴書。小林節正 #6

Text: Kenichi Aono

Edit: Yusuke Suzuki

REGULAR

ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載で、毎週月・水・金曜更新。第15回目に登場いただくのは、〈. . . . .RESEARCH〉代表であり、アウトドアからカスタムバイクまで、まさに我が道をいくスタイルを貫く小林節正さんです。

6 12

06. 企業と外部デザイナー契約を取り交わしたかった。

 この会社で服づくりについても知ることができ、これがなかったら〈GENERAL RESEARCH〉で服をやる転換点はなかったかもしれません。この前、大渕くん(大渕毅。〈Post O’Alls〉デザイナー)がそこの昔の雑誌広告の写真を送ってくれて、「俺って、好きなものがいまとあまり変わんないなぁ」と思わず笑っちゃいました。革でMA-1とかM-65をつくったりしていてね。

 5年ほど働いた会社を離れた1985年、家に菊池武夫さんの右腕的なひとから電話が。「ショーの仕事をやる気があるならちょっと来てくれ」。これが赤坂ムゲンでやった、レイ・ペトリが参加したショー(1986年春夏コレクション)の前のことでした。この瞬間をずっと待っていたのでうれしかったですね。ここからフリーランスのシューズ・デザイナーとしての仕事がスタートします。

 「日本の靴業界をなんとかしたい」という思いを実現するため、企業と外部デザイナーとしての契約を取り交わしたかった。つまり売り上げのキックバックをもらうみたいな話じゃなくて、発注元の企業にデザイン料を支払ってもらうということ。デザイナーが外部に存在する以上、デザイン料というものが生じるってことをわかってもらいたいで、わざわざ法務部を動かしてまで契約書をつくるのを嫌がった。そんななか了承してくれたのが〈TAKEO KIKUCHI〉のワールド、ワシントン靴店、アシックス、月星などでした。

  • 10代のころ、アメリカに住む従兄弟から送られてきた『Easyriders magazine』などの影響から、小林さんにとってバイクはずっと身近な存在。16歳ではじめてバイクに乗ってから現在に至るまで、乗らなかった期間がわずか1年半ほど。こちらは20年以上の相棒である〈HARLEY DAVIDSON〉の『XR750』。東京の練馬に構える老舗カスタムバイクショップ「HOT-DOCK」でフルカスタムした1台

    10代のころ、アメリカに住む従兄弟から送られてきた『Easyriders magazine』などの影響から、小林さんにとってバイクはずっと身近な存在。16歳ではじめてバイクに乗ってから現在に至るまで、乗らなかった期間がわずか1年半ほど。こちらは20年以上の相棒である〈HARLEY DAVIDSON〉の『XR750』。東京の練馬に構える老舗カスタムバイクショップ「HOT-DOCK」でフルカスタムした1台

Profile

小林節正(. . . . .RESEARCH〉代表)

1961年1月生まれ、浅草出身。〈. . . . .RESEARCH〉代表。山の〈マウンテン リサーチ〉やカスタムバイクの〈R.E.R〉こと〈ライディングエキップメント・リサーチ〉の展開、さらに2021年にオープンしたキャンプ場「水源の森 キャンプ・ランド」をプロデュースし、不定期で「ANARCHO MOUNTAINEERS」と題したイベントも開催。街も自然も、自由に行き来し自由に楽しむ姿勢は、多くのファンの心を掴んで離しません。

インスタグラム @anarchomountaineers009

RECOMMEND