クルマだからこそ行ける場所。車内でしかできない内緒の話。好きな音楽を流して、気の向くままにどこまでも。クルマはいつだってぼくらに新しい景色を見せてくれる。好きな子を乗せたときはまたちょっと違うかもね。これは、そんなドキドキやワクワクをゲストといっしょに探る連載。今月の助手席さん、クルマの魅力ってなんですか?
Profile
木村登喜夫
文化服装学院卒業後、数々のアパレル製産メーカーやレザークラフトメーカー、アクセサリー製造など複数のジャンルで経験を積み、2021年より自身の名を冠するオリジナルブランド〈トキオ(tokio)〉を展開。昨年9月に「TOKYO FASHION AWARD 2025」を受賞し、今年1月と6月にパリで開催されるメンズ・ファッション・ウィークで展示会を行う予定。
Instagram:tokioworks.official
登喜夫さんと探る、X-TRAILの魅力。
ラグジュアリーな輝きと細かいところまで手の行き届いたデザイン。これぞSUVという見た目でありながら、コンパクトカーと勘違いしてしまうほどの滑らかなステアリング捌きを可能にする新技術「e-4ORCE」を搭載した〈NISSAN〉の「X-TRAIL G e-4ORCE」が今回のクルマだ。
連載5回目にして初登場となる国産車なわけだが、この日あらためて国産車の底力をまざまざと見せつけられた。“やっちゃえNISSAN”はあまりにも有名なキャッチコピーだけど、挑戦的なフレーズの裏に隠された圧倒的な自信が垣間見えるような、そんな3時間半のドライブとなった。
鮮やかなイエローのジャケットで登場したのは、ファッションブランド〈トキオ〉のデザイナー・木村登喜夫さん。じつは初対面である。パリでのコレクション発表を間近に控え、最も忙しいタイミングかもしれない。ピリピリした空気のドライブになったらどうしよう…。しかしそんな心配事は、張本人である登喜夫さんがあっさりと吹き飛ばしてくれた。
「3日後にはパリっす。いやー楽しみですねー。いろいろ片付いてきたところだし、今日のドライブすごい楽しみだったんですよ、お誘いいただきありがとうございます! 今日はぼくの用事にも付き合ってくれるみたいで、なんかすんませんね!」
助手席に乗るやいなや明るい声色でそう話してくれた登喜夫さん。この日のドライブコースはまず登喜夫さんの行きつけだという町中華で腹ごしらえをし、浅草の工場に発注しているというアイテムのピックアップだ。