Text:Kenichi Aono
Edit:Yusuke Suzuki
ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第8回目は写真家の長濱治さん。世の中の常識からはみ出しながら懸命に生きるひとたちを中心に被写体とし、半世紀以上ファインダーを覗き続ける価値観に迫ります。
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01. 終戦の日、太陽の強い光と踊る男の記憶。
1941年に名古屋市で生まれました。その半年ほどあとに真珠湾攻撃ですね。戦時中は岐阜県の多治見市に疎開していて、終戦もそこで迎えました。1945年8月15日、おふくろと姉と3人で田んぼの脇の畦道を走って多治見駅前の広場に行くと、大きな拡声器がガーガー鳴っている。玉音放送です。みんな座りこんだりうなだれたりしていてそれに聴き入っていました。印象に残っているのは太陽の強い光が眩しかったのと、停まっていた列車だか貨物車の屋根のうえで男が踊っていたこと。奇妙な光景でしたが、あとになって土方巽の「暗黒舞踏」や麿赤兒の「大駱駝艦」を観たとき、この男の踊りと重なりました。