ブンがいざなう読書のラビリンス。七冊目
ついこの間、仕事中に大きな段ボールを運んでいたら背中の下の方でピキッという音がした。その音が鳴ったのが腰だと気付いたのは段ボールをもう一段階上に持ち上げたときで、もう無理と腰が訴える音だった。その瞬間、一気に体は汗ばみ、時計を見るとまだ11時で終業まであと6時間、久しぶりに絶望を感じた。
古本屋で働いているとこういう感覚に陥ることは多々あるのだが、今回のこの痛みはいままでにない痛みだった。なんともないフリを続けられたのはほんの30分、同僚や上司には心配と隣憫の眼差しを向けられ、これは私がさっさと早退しなければ辛気臭い古本屋になってしまうと思い、下手くそなヨチヨチ歩きで家に帰った。
恋人には「情けないことにぎっくり腰を患ってしまい、トイレでは力めないし靴下をひとりで脱ぐことさえままならないです」とメールした。痛くない体勢が本来ならばあるはずなのに、見つからない、見つからない、忘れ物センターを尋ねても見つからず、痛み止めを飲んで丸くなって横になる。布団とわたしが面と面で一体化する感覚になる寝たきり日和。