TECH FREAK - ギークな未来百貨。
Vol.5 Papago
円は激安 そろそろ終わって くれないか
櫂未知子さんの俳句を真似て、そう嘆きたいくらいに円が下がっている。歴史的な円安なんて言われているし、物価も上がってるし、こんなんじゃおちおち海外に行けやしない。
と言いたいところだけど、行ってきましたタイへ。もちろん仕事なんですが。ずっと取材し続けた最高の1週間。詳しくは後日掲載するフイナムの記事をご覧ください。気候もひともあたたかで、帰って3日しか経っていないのにもうタイ行きたいなんて話している始末。でもやっぱり、言葉の壁に詰まった。悲しいかな、英語もタイ語もまったく話すことができないポンコツだ。
そんなもんだから、ひとに頼るしかない。ライターが英語、カメラマンは少しのタイ語と英語を話せるスタッフという万全の布陣で望んだ。その甲斐もあり、あらかた問題なく終了。でも、自分ひとりでどうにかしなければいけないときだってある。そんな窮地こそテクノロジーに頼るべきだ。いまならやっぱりAIだよね、と仕込んでいったのが韓国発の翻訳アプリ「パパゴ」だった。
この「パパゴ」は、「ネイバー(NAVER)」が開発したアプリで、2016年にリリースされた。言葉の意味はエスペラント(人工言語)でオウム。アプリのアイコンも、もちろんオウム。利口でおしゃべりなイメージが湧いてくるでしょ? 音声や画像からの翻訳ができて、いまでは全14ヶ国語の翻訳に対応している。基本的な使用は無料。最初から有料サービスが多いなか、これが地味に嬉しい。
いまなら「グーグル」も、「DeepL」もあるのにと、疑問に思うひとも多いと思う。でも、前者は翻訳アプリから「グーグルアプリ」に一本化し始めてるから即座に使えないし、後者はタイ語に対応していない。それに、アジア諸国に限っては同じアジア内で開発されたアプリの方が細かなニュアンスを掴めるんじゃないか?と、なんとなく想像したのもある。もちろん、カメラマンのおすすめも「パパゴ」だと言っていたし
空港での一コマ。読めませんって。
書いてあったのはこんな内容だった。
飲食店のメニューはだいたい読めない。
それがこの通り、なんとなく分かるようになる。
タイ数字を使われると手も足も出ない。
1,000,000バーツ=450万円超えのものも。聞いたところによると純金製なんだとか。
とある飲食店近くにあった張り紙。
ビーンさんのゆるい空気感までも伝ってくる気がする。
使い方はいたって簡単。アプリを開いたら、上部で訳す言語を選び、どのようなツールで変換するかを選ぶだけ。すでにある画像を解析してもらったり、写真を撮ってリアルタイムで翻訳したり、テキストや会話しながら翻訳することもできる。肝心の精度は完璧とは言えなくほどほど。でも、意味は通じるし、これがあるだけで大助かりだ。見ても何を意味しているのか分からないし、「コップンカー」「サワディーカップ」ぐらいしか話せないのだから、全然いいでしょ。ちなみに、「パパゴ」の母国・韓国語との変換はかなり高精度らしい。AIだから、多言語もどんどん賢くなっていきそうな気がする。
これはどこに行くのだろう?
少し不思議なところもあるけれど、なんとなく伝わるはず。
この奥にはなにがあるのかと気になった場所。
モスクの入口らしい。
プーケット滞在中に、まったく分からなくて途方に暮れた瞬間。
「パパゴ」を通すとなんとなく分かる気がする。
カメラマンに聞いたところ、カオモックガイというタイ版のビリヤニだった。めちゃくちゃおいしかった。
もちろん機能はそれだけじゃない。ほかにも、ウェブサイトの翻訳やオフライン翻訳、シーン別に必要な英語を発してくれるグローバル会話、言語の練習に最適な単語カード、別のアプリを開いていてもテキストを貼り付けることで翻訳してくれる「パパゴ ミニ(Papago Mini)」という便利機能もある。そして、有料になるけれどドキュメント翻訳にも対応している。
そうそう、本当に焦ったときにはアプリに頼ることさえ忘れるのでご注意を。たとえば、スリとか、航空券のスペルミスとか、パスポートを詰まらせたとか、フットマッサージなのに個室へ案内されたとか。そんなときは、すぐほかのひとに頼ろう。
ちなみに個人的なベスト「パパゴ」タイムは、帰国前日の深夜にスーパーで見かけた女の子に話しかけたとき。タイ語変換で被っているスーベニア的なキャップをどこで買ったのか聞いたら、中国のひとということで即座に中国語変換することができて嬉しかった。返答は「Zoo」ってことで予定的に買いには行けなかったけど。それにしてもあのときの女の子、かわいかったな。
欲しかったキャップ。バックに「THAILAND」いう刺繍もあって、スーベニア感がかわいい。
日本語からタイ語への変換。
日本語から中国語へも素早くできる。