ヒップなゴルフショップ。
VOL.2 ジル&ロウズ（東京・広尾）

ゴルフ場でも着こなしにこだわりたい。服装で少しでもモチベーションを上げればいいショットを打てそうな気がするし、ゴルフをプレイする以外にファッションという楽しみが加わると、よりゴルフが好きになるはずだ。自分らしいゴルフウェアを探すなら、行くべきはこんなお店。2店舗目に紹介するのは「ジル＆ロウズ」。ありそうでないアイテムをラインナップしているが、それを探し求めているひとも多いのでは？

Chapter 03 | Shops for Golfer

上質なアパレルショップや飲食店が集中している広尾にぴったりな「ジル＆ロウズ」。周囲に住むゴルファーからの信頼も厚い。

案外見つからない、シンプルで普通のゴルフウェア。

ゴルフストリートと呼ばれるゴルフショップが立ち並ぶ一角があるほど、街にゴルフが根付いている広尾。そんなエリアに、2022年オープンした「ジル＆ロウズ」は、従来のゴルフウェアと一線を画すアイテムを中心に取り扱っている。オーナーの尹光（ゆんひかる）さんは、こう話す。

「セレクトしているウェアは、シンプルで普通なもの。ゴルフウェアの多くは、いいデザインだと思っても、背中に大きくデザインが入っていたり、ロゴやワッペンが配されていたりして、シンプルなものがないんです。ここのセレクトは変わっているねっていうひともいるけど、海外によく行くひとは現地のゴルフコースにあるプロショップみたいだねって言ってくれる。それを意識していて、世界でスタンダードな普通のデザインのウエアを取り扱っているんです」

ゴルフ場を彷彿とさせる店内は、プレイ中の着こなしをイメージしやすい。

店内を見渡すと、確かに普通なアイテム、つまり洗練されたシンプルなアイテムが多い。これなら、ゴルフだけではなく、デイリーユースでも着こなせそうだ。実際にゴルフ用だけではなく、休日に着るためのウェアを買いに来るひとも多いそうで、ラウンド後のシャワーを浴びたあとに着られる服も増やしていく予定だとか。

「ゴルファーが100人いたら、そのなかの5人に反応してもらえればいいと思っています。カテゴライズされたくない、大人のためのゴルフウェアを提案できたらなと。ひとに見せるより、自分が満足したいひとに向けたセレクトです」

店内に入るとすぐにバッグがずらり。〈ジョーンズ〉のキャディバッグやショップオリジナルの〈ニーディープ〉などが並ぶ。
自然光が差し込み、開放感のある店内。販売されているアイテム数は多いので、時間をかけて吟味したい。
レディースもスタイリッシュなデザインだけをセレクト。ゴルフ場だけではなく、カジュアルに着られるものも多数ラインナップする。

取り扱っているのは8ブランド。そのほとんどが、「ジル＆ロウズ」が正規代理店を務める海外ブランドだ。毎年フロリダで開催されているゴルフの総合展示会「PGAショー」に赴き新たなブランドと出会い、信頼関係を築いた結果、正規代理店に選ばれた。

「オープン当初から比べるとブランド数を減らして、それぞれが高め合えるラインナップにしたんですよ。ここに来れば、なにかしらいいものがある、ではなく、全部いいと言ってもらうようにね」

柄ものも、模様が細かく落ち着いた大人の印象。目立つロゴはなく、日常使いもしやすい。
シューズはさまざまなバリエーションを用意。カラーリングや素材で、自分らしい一足を見つけたい。
プレイ中に欠かせないキャップは、着こなしのアクセントにも。さまざまなブランドがそろっている。
個性を演出できるヘッドカバー。〈ペンドルトン〉のウールブランケットを使った〈シェイマスゴルフ〉のヘッドカバーは、ファッション好きが思わず反応する逸品。
ショップのロゴを施した、尹さんのプライベート酸素カプセルが店内に。仕事で疲れたらここでひと休み。
スキーのヴィンテージユニホームをモチーフに、〈ジャンクレイグ〉へ別注したヘッドカバー。クラシカルな配色が唯一無二の存在感を発揮する。

「普段のファッションはいろいろ楽しんでもいいけど、ゴルフのときの着こなしは迷わなくていいと思うんです。今シーズンは白と紺だけを着るとか、ユニホームのように決めちゃってもいい。セベ・バレステロスみたいに、格好はシンプルでも、プレイが派手だとかっこいいですよ」

シンプルで普通、なおかつ素材が上質でディテールも気が利いているゴルフウェアは多くない。そんな一着を探しているなら、「ジル＆ロウズ」へ行くのがベスト。このショップのアイテムで、気取らない洒脱なゴルフスタイルを目指したい。

店主がレコメンドするアイテム5つ

創業60年以上の歴史を持ち、ハンドメイドのニットヘッドカバーの先駆けである、シカゴのヘッドカバーブランド〈ジャンクレイグ〉に別注したデザイン。スキーのヴィンテージユニホームから着想を得たブラック×ベージュ×レッドの組み合わせは落ち着いた色合いで、ボンボンのかわいらしさを中和する。

〈ジャンクレイグ〉のヘッドカバー左から¥17,380、¥18,920
オレゴン発のヘッドカバーブランド。多種多様に展開するデザインのなかでもおすすめしたいこちらは、ハリスツイードの生地を使った上質な風合い。トップ部分のレザーにホワイトを採用したことで、カントリースタイルが洗練された印象に。高級感が漂い、自慢のキャディバッグがワンランクアップする。

〈シェイマスゴルフ〉のヘッドカバー上から¥16,940、¥14,960、¥14,960
「普段は履かないからこそ、ゴルフのときくらいはホワイトのレザーシューズを。トップスとパンツは紺で合わせて、足元をホワイトにするだけでおしゃれに見えると思います」と尹さん。ホワイトのレザーがクリーンな印象で、芝のグリーンによく映える。エレガントでありながら、アッパーとソールは完全防水。

〈ラムダ〉のゴルフシューズ各¥59,400
後ろの襟元に小さくワンポイントでロゴが入っているだけで、他は無駄を削いだシンプルなデザイン。どんなカラーのパンツとも相性がよく、着こなしやすい。生地は吸水速乾性に優れ、汗ばんでも快適に着用できる。裾の前後は長さを変え、屈んでも腰が出ないようにするなど、ディテールも凝っている。

〈グレイソン〉のポロシャツ ¥19,800
シューズやベルトやバッグを展開する、ロンドン生まれのゴルフブランド。ラグジュアリーブランドを請け負っているポルトガルの工場で生産されているので、縫製や品質は折り紙付き。色やパーツの使い方が洒落ていて、ゴルフ以外にデイリーユースでも使えるデザイン。行き帰りもこれを履いていればこと足りる。

〈ロイヤルアルバトロス〉のゴルフシューズ ¥59,400

「ジル&ロウズ」ではこのひとに聞け！

尹光さん

国内屈指のセレクトショップで、17年間、海外ブランドとのやりとりや新規ブランドの立ち上げ、バイイングなどに携わる。2022年に「ジル＆ロウズ」をオープン。前職で培った目利きで海外のブランドをセレクトし、いくつもの正規代理店を務める。ゴルフ旅行で海外へ行く際は、ビーチやワインなど、広い視野を持ってゴルフ以外も満喫しているそうだ。