スタイルの履歴書。岡本博 #11

Text:Kenichi Aono

Edit:Yusuke Suzuki

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ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、第11回目はトイズマッコイの創設者として知られる岡本博さんをゲストに迎えました。7月の全13回、ぜひお付き合いください。

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11. 自分で型紙を作った最初の「A-2」。

 最初の「A-2」は自分でつくったんです。はじめに手をつけたのが革。「A-2」はホースハイドなんですが、まず衣料用を探すのがひと苦労でした。最終的にシューズの裏に使う馬革をなめし直して使うことに。ジッパーなどのパーツはアメリカで調達したかったのですが、昔のモデルは廃番ということで、これも日本のメーカーに依頼して近いものをつくってもらいました。アメリカではスミソニアン博物館やペンタゴンでミル・スペックに関する資料を閲覧できたので、それをもとにステッチの針数など細かく把握できたのですが、肝心の型紙がない。いろんなメーカーが出しているフライトジャケットってそれぞれかたちが違うじゃないですか。その理由はこれだったんです。ともあれ仕方がないので、トルソーに「A-2」を着せて、その上から新聞紙を貼ってわたしが型紙をつくりました。

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