Text:Kenichi Aono
Edit:Yusuke Suzuki
ファッションでも音楽でもスポーツでも、どんなジャンルもその人にしか出せないスタイルがある。“Style is Everything”。そう、だれかが言った、スタイルがすべて。『スタイルの履歴書』は、文字通りスタイルのある大人へのインタビュー連載。毎週月・水・金曜更新で、記念すべき第10回目は音楽家として幅広い活動をしながら、クルマや時計、それにファッションなどを愛する人としても知られる松任谷正隆さんが登場。6月の計13回に及ぶ言葉と写真などから、松任谷正隆さんのスタイルを教えてもらいましょう。
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02. 嘘を重ねることがなんらかの訓練になった。
身体が弱かった子ども時代でしたが、加えてメンタルも弱かった。そんなところから妄想力がついてきたんだと思います。それがはっきりするのは小学校(慶應義塾幼稚舎)のころ。幼稚園ではどうだったかなぁ…。でもその時分からぼくは嘘つきだったからすでに始まっていたんですかね、妄想は。
つかなくてもいい嘘をつく。そんな必要はないと自分でもわかっているのについてしまうんです。「おじいちゃんがロシア人」といってみたりね。嘘をひとつつくと、それを正当化するためにまた複数の嘘を重ねる。そうすると、その嘘が自分でわからなくなるといけないから、頭のなかでストーリーをしっかり組み立てるようになるんです。