河村康輔の、「Tシャツって人生だ」。
-Vol.07- UNKNOWNのTシャツ

河村康輔の、「Tシャツって人生だ」。<br>-Vol.07- UNKNOWNのTシャツ

Photo: Takaki Iwata

Text: Yusuke Suzuki

Edit: Yusuke Suzuki

COLUMN

だれがなにを着ているのか。それがTシャツだったらなおさら気になること。なぜならTシャツは、ファッションでありコミュニケーションツールだから。河村康輔さんがどんなTシャツを着ているのか、SNSで見たり会った時についついチェックしてしまうので、どうせなら連載で紹介してもらうことに。モノより思い出って有名なキャッチコピーがあるけど、ここではモノ=思い出。河村さんにとって、もしかしたらあなたにとっても、Tシャツって人生だ。

Vol.7 UNKNOWNのTシャツ

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1945年8月6日午前8時15分。

このグラフィックとメッセージ、ヤバくないですか? 反戦T(シャツ)で、反核のメッセージにきのこ雲のデザインは他でも見るんですけど、このピースマークから(デザインがきのこ雲へ)なっていくのがヤバいなと思って。

毎年必ず8月6日は自分の展示(※『81 - eighty one』)をやるし、広島の『TO FUTURE』という反戦のイベントと『EIGHT SIX PROJECT』にはなにかしらの形で関わっていて。去年は下瀬美術館で展示をやったり(※『被曝80年特別企画 HIROSHIMA2045 過去と現在を未来に繋ぐ』と題した写真家の岸田貢宜氏と岸田哲平氏との展示)、昔からずっとそういう(反戦への)活動はやっているんですよ。(出身地である)広島の人間は(戦争について考えたり反戦への意識が)みんな身近だと思います。高校生まで授業で戦争について学んだり、小学校低学年の遠足は「原爆ドーム」へ行ったり、夏休み中でも8月6日は毎年登校したり、ピースウォークって言って「平和記念公園」を歩いたり。

手に入れた経緯はタイなんです。タイに行ったら有名なレッド・ビルディング(※DDモールとも呼ばれ、古着・骨董品・カフェ&バーなどが入る建物)にいつも行くんです。(タイには)年に2、3回くらい展示や仕事やプライベートで行き、1回で30〜40枚くらいは(Tシャツを)買っちゃって、多いときは50枚以上なんてこともありますね。ある時いろいろと(お店を)まわって、閉店間際に小さなお店(※www.instagram.com/fungi.tee)に入ったんです。商品を見させてもらいながら少し店員さんと話し、お店を出て喫煙所でたばこを吸っていたら、その店員さんも来たんですよ。そこで“先ほどはどうもありがとうございました”なんて会話をして、次の日も喫煙所でたばこを吸っていたら、また同じ店員さんが来たんですよ。そうしたら前日も話をしているし、その店員さんがすごくおもろくていいひとだから、めちゃくちゃ仲良くなっちゃって(笑)。

そうしたらその数ヶ月後に「ブルータス(BRUTUS)」でタイ特集の号があって、編集のひとから“(タイの)おすすめを紹介してくれませんか?”って連絡がきて、仲良くなったしせっかくならとその子のお店を紹介したんです。そうしたらすごく喜んでくれて、次にタイへ行ったときにはいっしょにごはんを食べに行ったりするようになったんですよね。

  • フロントのグラフィックは、左上のピースマークがスカルになり、最終的には右下のきのこ雲へ。バックのメッセージは直訳すると“なんとしても第三次世界大戦を防ぐ!”。おそらく1970〜80年代に作られた反戦Tシャツのメッセージが、2026年に見ても現実的であることがなんとも皮肉。ボディのメーカーやサイズは、首回りがカットされタグもないため不明。
  • フロントのグラフィックは、左上のピースマークがスカルになり、最終的には右下のきのこ雲へ。バックのメッセージは直訳すると“なんとしても第三次世界大戦を防ぐ!”。おそらく1970〜80年代に作られた反戦Tシャツのメッセージが、2026年に見ても現実的であることがなんとも皮肉。ボディのメーカーやサイズは、首回りがカットされタグもないため不明。

フロントのグラフィックは、左上のピースマークがスカルになり、最終的には右下のきのこ雲へ。バックのメッセージは直訳すると“なんとしても第三次世界大戦を防ぐ!”。おそらく1970〜80年代に作られた反戦Tシャツのメッセージが、2026年に見ても現実的であることがなんとも皮肉。ボディのメーカーやサイズは、首回りがカットされタグもないため不明。

国境も世代も超えた友だちからのサプライズ。

ある日、このTシャツをインスタのストーリーに(このTシャツのフロントの)グラフィックを寄りで載せてて、“これ、めっっっちゃやばいね!”ってコメントを送ったら、“でもサイズ小さいんだよね”って返信がきて。基本的に自分が着れるサイズのTシャツしか買わないのを知ってくれているので、残念だけど一旦は諦めたんですけど、その後も“あのグラフィック、めちゃくちゃかっこいいよね”みたいなやりとりは続けていたんです。

そうしたら日本の古着フェスに出店するため来日するときがあって、自分は成田まで迎えに行ったり、初日から手伝いに行ってたんです。その時に「ブルータス」で反響があったことや手伝ったことにすごく感謝してくれて、“お土産にあげる!”ってプレゼントしてくれて。やばー!! ありがとー!!!!と思って初めて裏を見たら、めちゃくちゃヤバいメッセージが入っていて、うわー!!!!!!!!!ってなったんですけど、首の部分がカットされているのに気づいたんですよ。“えっ、前に(カットされているのはストーリーで)言ったじゃん!”って言われたんですけど、そのコメントは見逃していて(苦笑)。ハードコア(バンド)系のひとが着ていたのかなって想像しますね。

これまで反戦や反核のTシャツをいろいろ見てきたけど、こんなにド直球でストレートなメッセージのものは無いです。友だちからもらったっていうのもすごく大切にしたくなるし、今年手に入れた中で今年イチで(GETできて)うれしかったTシャツですね。

Profile

河村康輔

1979年・広島出身のグラフィックデザイナー・アーティスト・〈UT〉のクリエイティブディレクター。Tシャツへの想いは「ファッションのなかで1番好き。毎晩寝る前にヤフオクとメルカリ、あといつも買っている新品のバンドT屋さんをチェックしています」。@kosukekawamura

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